ツイン・ピークス生活 46日目『The Return第15章』さらば、丸太おばさん

The Return 第15章　手放すのが怖い

〈ネタバレを含みます〉

↓昨日の記録↓

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既に一月半以上、ツイン・ピークスにどっぷり浸かる生活を続け、そろそろそれも終わりを迎えようとしている。最終盤に差し掛かったこのThe Return第15章では見続けていたからこその喜ばしい展開と悲しい展開があった。

一つ目の喜びは悪クーパーがついにコンビニエンスストアを訪れる

このコンビニがはっきりとした場所として登場した時点で、こちとら今日の分の元を取れている。オリジナル・シリーズで初めてクーパーが予知夢を見た日、殺人鬼ボブと共に現れた片腕の男が「コンビニエンスストアの屋根の上に悪魔が云々」と言ったのがこのコンビニとの出会いだ。そこからずっとこのコンビニは姿を見せることなくここまで来た。

不可思議な第8章で抽象的なイメージの一つとしてコンビニエンスストアが登場したが、そこにとうとう悪クーパーが訪れた！これだけで、もう快挙。

悪クーパーがなぜコンビニにやってきたかといえば、自分への暗殺指令を出したかつての上司フィリップ・ジェフリーズに会うために他ならない。

つまり、フィリップを演じていたデヴィッド・ボウイが…？

だが流石に既に亡くなったデヴィッド・ボウイは登場せず、煙を蒸した巨大ヤカンへと変貌していた。あの中にボウイがいたのかもしれない。

今の技術であればスター・ウォーズのように亡くなった人物をCGで生き返らせることもできただろう。でもデヴィッド・リンチはCGをそうやって使うことを忌み嫌うのには間違いない。だから、これはこれでベストな選択だったのだろう。なぜヤカンなのかはわからないが。

そこでさらに過去作で放置されていた謎を引っ張り出してくる

『ローラ・パーマー最期の７日間』のフィリップ・ジェフリーズ as デヴィッド・ボウイが登場する該当シーンで急に現れたジェフリーズは「ジュディの話はしないぞ！」と言っている。「ジュディとは誰だ？」と悪クーパーは問う。青いバラ計画の命名元となった女性はダフィーだったので違う。ということは全く知らない女性だ。

ジェフリーズに誘われ、悪クーパーはジュディへ言伝を残す。

一方の善クーパー/ダギーにも大事件が起こる

家で食事をしていたダギーはふとめに入った電気のコンセントに心を奪われ、持っていたフォークをそこに突っ込む。あとは想像通りの惨劇になる。

もう一つ喜ばしい展開。

最近はジャコビー医師のYou Tubeチャンネルのファンになっているネイディーンは金のスコップを手に入れて人生観が変わりつつある。そんなネイディーンは長年連れ添った夫エドに、もう自分に縛られず好きな人と一緒になってくれと告げる。

エドはその足でダイナーへ向かい、ノーマに告白をする

高校時代はベストカップル二人が、エドはネイディーンと、ノーマはハンクと結ばれた

しかしずっと心はお互いを思い続けた。

そんな二人が40年の月日を経て、やっと結ばれる！！！

今まで何度「さっさとくっつけや！」とイライラしたことか！心の底から喜ばしい！

そういやハンクはどうなったん（自粛）

そして最期にあまりに悲しい出来事を

丸太おばさんが最期の時を迎える

丸太おばさんはチェリーパイ、コーヒーと並ぶツイン・ピークス名物のアイコニックなキャラクターだった。劇中でも最もスピリチュアルよりの存在として要所要所の重要局面で意味深なことを言う

The Returnに突入してからはかなり御高齢でいつ亡くなってもおかしくない状態だった

そして今回、ついにその時が訪れた

そもそもこの丸太おばさんを演じているキャサリン・コールソンはデヴィッド・リンチにとっても盟友といえる人物だった。彼の初長編作品で出世作の『イレイザー・ヘッド』で助監督を勤め、彼女なしでは作品完成には至らなかっただろうとリンチも語っている。夫で『イレイザー・ヘッド』主演のジャック・ナンスと共にまだ何者でもなかった頃からリンチと共に苦楽を共にしてきた仲なのだ

ついでにジャック・ナンスはツイン・ピークスではピートを演じている