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ツイン・ピークス生活 34日目『The Return 第3章』第三のクーパー現るも、金玉へと変貌する。

ツイン・ピークス生活 34日目

The Return 第3章 助けを呼ぶ

〈ネタバレを含みます〉

 

↓昨日の記録↓

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霊体状態で色んなところに吹っ飛ばされている善クーパー

彼がもう一つの世界から出る準備はもうできているのだが、肝心の身体がないため変な世界巡りをさせられている

 

冒頭15分はそんな善クーパーの不思議な世界巡りの様子が描き出される。この15分間が特濃で、デヴィッド・リンチ史的に見ても『イレイザー・ヘッド』くらいの意味不明度合い。全てリンチ自身が監督していることもあってかオリジナル・シリーズに比べてこの訳わからない部分の比重が圧倒的に増えており、好きものにはたまらない。

 

そのシーンの内容を説明したところであまり意味は無さないだろうが、まずはクーパーが謎の家のようなところに落ちてくる。そこには目が潰れてない女性がいて、なにかを必死に訴えている。部屋の壁には巨大コンセントの穴のようなものがあり女性はそれについてなにかを言いたいようだ。このシーンは独特なボヤけた映像でぶつ切りにカットがかかり、逆再生など色々な処理がされている。まさに「断片的」な映像が連なったシーンになっている。

 

女性に連れられて善クーパーが階段を上がると鉄板でできた巨大な突起物みたいなものがある。目のない女性がそれについているレバーを下ろすと電流が流れ、その突起物に触れていた女性は感電。そのまま吹っ飛び、奈落の底へと落ちていく。そこで奈落に男の顔(おそらく片腕の男)がオーバーラップされ「青いバラ」と言葉を残す。『市民ケーン』の「赤いバラ」オマージュ?

それを見てドン引きしている善クーパーは元の部屋に戻ると今度はまた別の女性がいる。全く知らない女性だ。彼女もなにかを必死に訴えている。すると部屋の外からドアをドンドン叩く音が聞こえ、女性はクーパーに早く巨大コンセントに近づくよう促す。

女性は「ママが来る前に」という。ママというのが部屋の外にいるやつか。全然設定がわからないぞ。そしてクーパーは巨大コンセントに吸い込まれていくのだった…

 

一方でその善クーパーの本来の肉体を使っている悪クーパーは田舎のハイウェイを車でぶっ飛ばしている。明らかに体調が悪そうで車はスピードを緩めず蛇行運転。崖から勢いよく飛び出してテルマ&ルイーズになることは免れたが、代わりに車は大クラッシュの末、横転する。

 

ここからが今日の問題だ

今までは善クーパーと悪クーパーの二人だったのだが、そこに第三のクーパーが現れた。ベッドで娼婦にお世話されているこの第三のクーパーは服装や髪型こそ違えど、顔はクーパーだ。カイル・マクラクランも一人で何役やらされてるんだ…

彼は本当はクーパーではなくダギーという別人物なのだが、肉体はクーパーとほぼ同じだ。オリジナル・シリーズ最終話からドッペルゲンガーの話がちらほらと出てくる。善クーパーと悪クーパーはドッペルゲンガーと言えるかもしれないが、この二者はあくまで魂の話でしかない。今までは本体の善クーパーの身体の所有者が悪クーパーに変わっただけで、ドッペルゲンガーというよりは二重人格などに近いのかもしれない。その点で言えば、このダギーという黄色ジャケットをまとったクーパーのそっくりさんこそ正しい定義でのクーパーのドッペルゲンガーと言えるだろう。

 

だが、悪クーパーは身体の受け渡しを拒否している。そのためこの黄クーパーがその代償を取らされる。急に例の赤い部屋に召喚されたダギー。その代わりにダギーの家のコンセントの穴からにゅーっと出てくる善クーパー。

赤い部屋では片腕の男が待ち受けており、訳もわからないまま訳のわからないことが起き、結果的にダギーは金色の玉になった。

 

ダギーが完全にとばっちりで可哀想にも思えるのだが、気になる点もいくつかある。このダギーは片腕が痺れるという症状を持ち合わせている。片腕に障害も持つということは『ツイン・ピークス』においては重要なモチーフの一つである。片腕の男、赤い部屋でローラは「右腕が反対に曲がる」と事あるごとに発言している。そこから考えるにこのダギーもなんらかの因果の下にいるはずだ。

そしてもう一つは緑の石がついた指輪を持っている件だ。この指輪は『ローラ・パーマー最期の7日間』で特にフィーチャーされた代物で現世とブラック・ロッジを繋ぐ上でのキーアイテムだ。テレサ・バンクス事件を追っていたデズモンド捜査官もこの指輪のせいでどこかに消えてしまったし、ローラ・パーマーの死の直前にもこの指輪が現れていた。なぜその指輪をダギーが?そしてなぜ金玉に?

 

とりあえず、こうして善クーパーは25年ぶりに現世に帰ってきた

おめでとう!

 

だが本来のクーパーには程遠い耄碌状態で、フラフラと徘徊するおじいさんといった調子だ。何者かのお告げに従い、カジノで訳もわからずジャックポッドを連続で叩き出したりはしているが、本人はそれも何が起きているかわかっていない様子

 

そこからFBI本部へ話は飛び。25年の年を重ねたデヴィッド・リンチ御大演じるゴードンと回を重ねるごとに頼れる男になっていったアルバートの姿。

彼らはニューヨークの例の監視部屋で起こった殺人事件の調査を進めている。そこに一本の電話。クーパーが見つかったという知らせ。

 

次回はクーパーとゴードン、アルバートの再会から始まるようだ

いよいよ話が本格的に動き出す予感

 

 

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